29© 2024 Japan Exchange Group, Inc., and/or its affiliates「現状分析・評価」のポイント投資者の視点から資本コストを捉えるポイント①株主資本コストについて、CAPMに加えて株式益利回りに基づく算出も行うとともに、各種指標についてもヒストリカルの推移について、その変動要因とあわせて提示コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186CAPMベースの資本コストと市場の期待リターンとの間には乖離があるという認識を提示たうえで、ROE目標の上方修を表明出光興産(5019株主資本コストの水準と併せて、算出モデルやパラメータの設定内容を開示テクノスマート(6246資本コストに関して、毎四半期決算説明会でアナリスト・機関投資家にアンケートを実施して把握トレンドマイクロ(4704株主資本コストを推計する手法として、多くの企業ではCAPM(資本資産価格モデル)が利用されていますが、その算出値はあくまでも一つの推計値です。株主資本コストは「投資者の期待収益率」であるという観点からは、必ずしもCAPM等のモデルを用いて算出すればそれだけでよいということではなく、資本コストの水準について、「株主・投資者と認識が揃っているか」ということがポイントとなります。こうした株主・投資者との共通理解を醸成するためたとえば、自社で認識している資本コストの水準と併せて、算出に用いたモデル・パラメータを開示複数のモデル・パラメータを用いて分析説明会や面談を通じて、株主・投資者に自社の資本コストの水準についてヒアリングなどを行い、投資者の視点から資本コストを把握することが期待されています。×資本コストには唯一の正解があると考え、画一的な算出式に拘る×自社の資本コスト算出結果について、株主・投資者からの「ズレている」という指摘を恐れ、対外的な開示を控える資本コストの水準について、精緻な値を算出することが目的ではなく、株主・投資者との認識を揃えることが重要であり、「資本コストや株価を意識した経営」を実現するための出発点として、認識のズレを解消するための取組みが期待されています。投資者目線とのギャップ実例